春たけなわ!です。生命の息吹がほとばしるこの時期、ヴィヴァルディの四季から「春」をお届けします・・・とは言ってもピアノ連弾版、以下の4人のピアニストによるアンサンブルです。

ユジャ・ワン(Yuja Wang):独奏パート
エマニュエル・アックス(Emanuel Ax)
ネルソン・ゲルナー(Nelson Goerner)
ジュリアン・クエンティン(Julien Quentin)



2009年のヴェルビエ音楽祭からのライヴ映像で、清涼感に溢れた好演だと思います。

特にユジャの担当は、ヴァイオリンならではのボーイングが効いた独奏パート。これをピアノで、いとも涼しげに弾いてしまうのだから、只者ではない。"メカニカル"なんだけど"しなやか"なのは、彼女のピアノタッチの最大の魅力ですね。

元々はヴァイオリン協奏曲なので、フレーズの一つ一つがヴァイオリンの奏法として脳にインプットされているのだけど、ピアノに変わってもさほど違和感がない。それどころか、ヴァイオリンのケバケバしさが無い分、朗々とした春の気分が引き立っている感もあります。

これはさり気ないようで、実は大変なセンスとテクニックが必要なんだと気付いた次第。ここでもユジャは、緩急を織り交ぜたテンポで演奏をリードしています。一方、男性陣は合わせていくのが大変だったよう。

音楽祭ならではの趣向で、微笑ましくもありました・・・。