これは何て楽しいブランデンブルグなんだろう・・・。今まで聴いた中で最高かもしれません。

オーケストラはヨーロッパ連合バロック管弦楽団(European Union Baroque Orchestra)。若手演奏家のための教育組織のようで、バロック音楽に息吹を与える素晴らしい演奏だと思います。

勿論、これより技量の優れた演奏は沢山あるでしょう。でもブランデンブルグの"ウキウキ感"をここまで醸成しているものは聴いたことがありません。何より団員たちの表情が、それを物語っていますね。でも、一体その秘訣はどこにあるのでしょうか?・・・。

他のオケの演奏とも聴き比べたのですが、各楽器のアーティキュレーションの幅が大きいからなのだと思います。ポリフォニー音楽の演奏では、縦の線(拍合わせ)を意識しすぎると、横の線(フレージング)が窮屈になってしまう・・・(例えば、スタッカート気味になってしまう)。

ぶつ切りにされたフレーズには"歌"がありませんし、音楽が枯渇してしまいます。その点この演奏は、縦横の線が噛み合った見事なテクスチャーと言えるでしょう。それはつまり、バッハの様式を的確に表現していることに他なりません。

EUBOの生演奏が聴いてみたくなりました。来日の予定は無いのかな・・・?