マーラーの「アダージェット」です。交響曲の第4楽章なので、通常はオーケストラの弦楽セクションで演奏されますが、ここでは必要最小限の室内楽編成になっています。

ヴァイオリンが2本でヴィオラ、チェロ、コントラバスが1本ずつでしょうか?、あと、ハープのパートはピアノで演奏しているようです。(映像ではハープが見当たらず、舞台左奥にピアノが確認できます。)

そもそもアダージェット(Adagietto)とは、アダージョ(Adagio:緩徐楽章)のミニチュア版のこと。マーラーにはブルックナーの大規模なアダージョが念頭にあったようで、それに比べると規模の小さいところが「アダージェット」の由来だそうです。

"小さなアダージョ"であるならば、オーケストラよりも室内楽編成の方が、曲のニュアンスを上手く表現できると思うのですが如何でしょう?。事実、この演奏におけるダイナミクスの取り方や、チェロによる甘美なリード演奏(1:08〜)は、心身がとろけるほど素敵です。

演奏後の鳴り止まない観客の拍手が、感極まった反応を物語っていますね・・・。

PS)
オーケストラによる通常の演奏と聴き比べてみるのも面白いですよ。